NO.93
2010年9月 『あなたの平熱は?』
    東成区医師会副会長 浅井 晃
 
 「平熱は35℃前後なので36度5分もあると、とてもしんどくて・・・」などと訴えて診察にこられる方があります。皆さんは普段どのようにして体温を測っておられるのでしょうか。
 おそらく、着衣の胸元から、または腕の袖口からかもしれませんが、電子体温計を脇の下に滑り込ませ、1分少々も待てば鳴るピピッピピッという例の電子音を確認してから、おもむろに体温計を取り出すといった手順でしょうか。
 実はこのような測り方には、いくつかの問題があります。着衣を緩めたり、袖口などから体温計を脇の下(脇窩・えきか)に挟み込む時に、僅かながらでも冷気を感じる事はありませんか?もしもそうならば、気化熱として熱を奪われて間違いなく脇窩の温度は一瞬のうちに低下しています。もちろん暫くすればまた元の温度に戻るのですが。
 もう一つの問題は電子体温計にあります。1分前後で体温を表示する最近の電子体温計は、冷えた脇窩がもとの温度に戻る前に体温を測定してしまいます。結果として、本当の体温よりも低い温度が測定値として表示されることになります。
 では、どの様にして測定すれば良いのでしょうか。脇は冷えないように出来るだけ開かないようにして体温計を挟み込み、出来ればそのままの姿勢で5分から10分間ほど時間をおいてから電子体温計のスイッチをONにしてください。または、朝の起床時布団から出る前に、枕元に予め用意しておいた体温計を反対側の手で取り込んで、布団の中で測定すれば完璧です。改めて測定をしてみられてはいかがですか。平熱は意外に高いことを発見されるのではないでしょうか。ちなみに37℃前後は正常です。