『テニス肘』(令和5年2月-3月号)
住本 公日乙
テニス肘は正式名は上腕骨外側上顆炎といい、肘の外側に痛みを訴える比較的頻度の高い疾患です。中高年のテニス愛好家に多かったのでそう名付けられましたがテニス以外のスポーツや仕事で腕を使いすぎることで発症することもあります。
原因としては、手首を伸ばす筋肉(主に短橈側手根伸筋)の骨の付着部での炎症が考えられます。
手の甲を上にして、ものをつかんで持ち上げる、タオルや雑巾を絞るといった時に肘の外側に痛みを生じやすいです。安静時には通常痛まないものですが病状が進行すると何もしていなくても疼痛を生じることがあります。
診断方法は、Thomsenテスト、チェアテスト、中指伸展テストなどがあり、いずれも陽性なら肘の外側に痛みを生じます。
治療は原則、保存的に行います。患部の安静(これが一番難しい)、薬物療法、ストレッチ、装具療法などが有ります。よほど痛いときはステロイド注射を打つこともありますが効果は一時的です。比較的効果の高いものはストレッチと装具療法です。しかし、保存療法を半年ほど続けても改善しなければ手術も検討しなければならないでしょう。