『ロコモって何?』(令和4年2月-3月号)
東成区医師会理事 住本 公日乙
「メタボ」は皆さんよくご存じだと思いますが「ロコモ」はまだまだ認知度が低いのが現状のようです。「ロコモ」とは「ロコモティブシンドローム」の略で、運動器の障害のために移動能力の低下をきたした状態を言います。
さて運動器とは、人間が立つ、歩く、動作をするといった広い意味での運動のため に必要な身体の仕組み全体の事をいいます。それは骨・関節・筋肉・神経などで成立しています。これらの組織の障害によって立ったり歩いたりするための身体能力が低下した状態がロコモです。ロコモが進行すると将来介護が必要になる危険性が高くなります。
それでは、自分がロコモであるかどうか?7項目の「ロコチェック」で確かめてみましょう。1つでも当てはまればロコモの疑いがあります。
- 片脚立ちで靴下がはけない
- 家の中でつまずいたり滑ったりする
- 階段を上がるのに手すりが必要である
- 家のやや重い仕事が困難である
(掃除機の使用、布団の上げ下ろしなど) - 2kg程度の買い物をして持ち帰るのが困難である(1Lの牛乳パック2本程度)
- 15分くらい続けて歩くことができない
- 横断歩道を青信号で渡り切れない
さて、如何だったでしょうか?さらに正確に診断するにはロコモ度テストを行います。
(詳しい内容、判定結果は医療機関でお尋 ねください。)
- 立ち上がりテスト
片脚または両脚で 40 cm、30cm、20cm、 10cmの台に座った姿勢から立ち上がれるか? - 2ステップテスト(歩幅テスト)
出来るだけ大股で2歩歩き、2歩分の 歩幅を測ります。 - ロコモ25
25 の質問(身体の状態、生活状況)に答えてロコモ度を調べる。
(ここでは紙面の都合上割愛させていただきます。)
ロコモと診断された人、元気な足腰になるためにロコトレ(ロコモーショントレーニング)を早速始めましょう。ロコトレは「スクワット」と「片脚立ち」の2つだけです。スクワットと言ってもスポーツ選手がするようなハードなものではなく、食卓などに座って机に手をついて立ったり座ったりを5-6回を1セットとして1日3セットを、また片脚立ちは転倒しないよう必ずつかまるものがある場所で左右とも1分間で1セットを1日3セットしましょう。
健康寿命は男女とも平均寿命よりおよそ10歳ほど短いと言われています。ロコモ対策をしっかりして健康寿命を延ばしましょう。