『やっぱり緑内障』(令和6年 新年号)
東成区医師会理事 新名 健治
日本眼科医会では40歳を過ぎた方は年に一度の眼科受診を勧めています。というのも40歳を過ぎれば30人に一人、60歳を過ぎれば8人に一人が緑内障と言われているからです。緑内障が失明原因第一位なのです。緑内障は眼の中の神経が減っていく病気です。減った神経は元には戻りません。なので、緑内障はできるだけ早くに見つけ、必要なら早くに治療を開始し、一生不自由がないようにもたさないといけません。
一般的な緑内障の症状は視野が欠けることですが、自分ではなかなか分りません。眼科を受診していただければ、診察すればすぐに分ります。外来検査では簡単に詳しく分る検査機器も普及してきました。すごく早期の緑内障を見つけることが出来ます。
治療はまずは点眼。実は点眼薬がすごく良くなりました。種類も多くあります。コントロールが悪ければ複数の点眼薬を組み合わせて使用します。点眼薬がよくなったので手術になる例は減りましたが、それでもコントロールが不良であれば手術を行います。手術もいろいろな治療方法があります。眼の状態により手術方法は変わります。
緑内障の多くはゆっくり進行するものですが、急に発症する急性緑内障発作という状態もあります。充血、かすみ目、目の奥の痛み、頭痛、嘔気、嘔吐などの症状がでます。嘔気、嘔吐があるので眼科に受診せずにいると数日で失明してしまいます。このような状態になりやすいのは年齢の変化によるものです。よく病院で緑内障と言われたことがありませんか?と質問されることがありますが、これは投薬などで急性緑内障発作を起こさないかということです。でも、緑内障と言われていなくても年齢の変化があれば急性緑内障発作を起こしてしまうことがあるのです。
やはりある程度の年齢になれば症状がなくても薬の制限を含めて眼科を受診しておいた方がいいと思います。