『うわさを信じちゃいけないよ』(令和3年10月-11月号)

東成区医師会理事 福川 隆

 この歌詞で始まる山本リンダの「どうにも止まらない」の出だしの部分であるが、今まさにこのようなことがコロナのワクチン接種の中で当てはまります。ワクチンの効果はない、ワクチンを注射するとマイクロチップが埋め込まれて行動が監視される、不妊になる、遺伝情報が書き換えられる、ワクチンを打った腕に磁石がつく、ワクチン接種でコロナウイルスが感染する、ワクチンは大量殺人兵器だ、など様々なデマが飛び交っています。不安をあおることによって反ワクチンセミナーを開催したり、ネットで会員に入会させ、会費をとるなどして荒稼ぎしている人もいます。アメリカでは有名なロバートケネディJrなどもいますし、日本でも精神科の医者があおっています。(医師免許剥奪ものですね)。
 デマは不安と結びつき、よく考えたら誤っていると明らかにわかる情報でも、一方的に信じ込んでしまい、他人に対しても悪気なく、誤った情報に基づいた行動を強いてしまいます。以前ぎっくり腰でマッサージを受けていた整体師さんが、夫がワクチンの噂を信じた否定派で、奥様にワクチン接種をしないよう指示していて、彼女が困っています。近くで接触するので、双方に危険があるため接種したいのにできない状態です。コロナ離婚まではいかないまでも心配になります。だから、このように不確かな情報に出くわしたときは公的機関や権威ある学術団体のサイトに行って真偽を自分の眼で確かめてみることが大切です。最後にもう一度「うわさを信じちゃいけないよ」。